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相続で遺産分割をする際には、遺産分割に関連する不随問題についても整理しておかなければなりません。相続人同士の話し合いで解決できなければ、遺産分割の調停の対象とすることもできますが、調停でまとまらなかった場合には審判に含まれないため、後々面倒なことになってしまいます。
遺産分割の不随問題となりやすいのは、相続債務の有無など相続する財産の状況だけではありません。生前の介護・扶養にかかった費用や葬儀費用、遺産管理費用などの清算に関すること、同族会社の経営や祭祀を誰が引き継ぐのかということも含まれます。さらに、被相続人名義の預金口座からどのようにお金が引き出されていたかまでチェックすると、多額の使途不明金があることが問題になることもあるのです。
遺産分割では、ローンの残っているマンション1棟を相続人の一人が取得することがありますが、他の相続人は債務の負担を免れるためには金融機関の承諾が必要となります。このような手続きが、相続債務の整理分担です。
生前や死後にかかった費用の清算には、介護・扶養にかかった費用や葬儀費用、遺産管理費用などの清算だけでなく、遺産収益の分配も含まれます。遺産管理費用は、相続開始後に生じたものであり、遺産とは分けて考えられるものです。遺産分割で、処理することができない場合もあります。
同族会社の株式は遺産分割の対象にできますが、会社の経営権をめぐる問題については遺産分割の対象とはなりません。同様に祭祀継承についても、遺産分割の対象外です。